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話者分離
話者分離つきの文字起こし(誰が話したかを自動で分ける)
複数人が話している録音を、発言ごとにどの話者のものかを分けて文字起こしします。話者分離(話者ダイアライゼーション)と呼ばれる処理で、インタビュー・座談会・複数人の会議のように、誰の発言かが意味を持つ録音では作業時間が大きく変わります。処理はすべて Mac の中で行われます。
話者分離とは
話者分離とは、1 本の音声の中で「いつ、誰が話していたか」を区切る処理のことです。文字起こしが何を言ったかを扱うのに対し、話者分離は誰が言ったかを扱います。この 2 つを組み合わせると、次のような形の書き起こしになります。
- 0:00 田中:本日はお時間をいただきありがとうございます。
- 0:06 佐藤:こちらこそ。先にお送りいただいた資料は拝見しました。
- 0:14 田中:ありがとうございます。では 3 ページ目から。
話者ラベルがないと、書き起こしは誰の発言か分からない一続きのテキストになります。インタビュー記事の原稿、議事録の発言記録、調査データの整理では、この区切りがないと結局は音声を聞き直すことになります。
どうやって分けているのか
大きく 3 段階です。
- 発話区間の検出:音声のうち、人が話している部分と無音・雑音の部分を分けます。
- 声の特徴量の抽出:各発話区間から、声質を表す数値の並び(声紋・埋め込みベクトル)を取り出します。これは声の高さや話し方ではなく、その人の声の特性を表すものです。
- グループ分け:似た特徴量どうしをまとめ、同じ人の発言として束ねます。何人いるかを指定していない場合は、この段階で人数も推定されます。
この計算はすべて Mac の中で行われます。声の特徴量が外部に送信されることはありません。
一度覚えた声は次回も同じ名前で出る
話者分離だけだと、結果は「話者 1」「話者 2」という匿名のラベルになります。実務で効いてくるのはこの次で、Lesskeys では実名を割り当てた声を声紋として端末内に保存できます。
保存しておくと、同じ人物が登場する別の録音でも、最初から実名で表示されます。効果が大きいのは、次のような繰り返しのある作業です。
- 毎週の定例会議で、同じ 5 人の名前を毎回割り当て直している
- 連続インタビューで、同じ担当者と複数の相手を録音している
- 継続的な調査で、同じ被験者に複数回のセッションを行っている
声紋も端末内に保存され、外部には送られません。保存するかどうかは設定で切り替えられます。
精度を左右するもの
話者分離は録音条件の影響を強く受けます。うまくいく条件とそうでない条件は、はっきり分かれます。
| 条件 | 分離のしやすさ |
|---|---|
| 各話者がマイクの近くで、順番に話す | 得意 |
| オンライン会議(1 人 1 マイク、ヘッドセット) | 得意 |
| 1 対 1 のインタビュー | 得意 |
| 長机の中央に置いた 1 本のマイク | 遠い席の声が弱く、混ざりやすい |
| 複数人が同時に話す、かぶせ気味の会話 | 重なった部分は取りこぼしやすい |
| 声質がよく似た話者どうし | 同一人物としてまとまることがある |
| 相づちだけの短い発話 | 特徴量が少なく、判定が不安定 |
誇張せずに書くと、どの製品でも完璧には分かれません。うまくいかない録音では、分かれすぎた話者をまとめる/混ざった発言を別の話者に付け替える、といった手作業の修正が前提になります。Lesskeys では、その修正をアプリ上で行えます。修正した内容は保存中の声紋にも反映され、次回以降の判定に効きます。
実務での使い方
取材・インタビュー
発言者ごとに区切られた本文があれば、原稿への引用がそのまま作れます。文字をクリックすればその位置の音声から再生できるので、引用部分だけを聞き直して確認できます。取材音源は外部に出したくないことが多い分野ですが、ローカル処理であればファイルは端末の中に留まります。
会議・議事録
決定事項と、それを誰が言ったかを紐づけて残せます。Mac 側でシステム音声とマイクを直接録音すれば、会議アプリに参加ボットを招く必要もありません。詳しくは「議事録の自動作成」をご覧ください。
調査・ユーザーインタビュー
被験者ごとの発言を分けて集計する用途です。書き出した TXT を分析ツールに取り込む形で運用できます。
録音するときの確認事項
他人の発言を録音・文字起こしする場合、録音の可否は社内規程や取引先の意向に従ってください。日本では、会議やインタビューの冒頭で「記録のため録音します」と一言伝えておくのが一般的で、相手の心証の面でもその方が無難です。NDA を結んでいる案件では、音声の取り扱いが契約書で定められていることもあります。
また、話者ラベル付きの書き起こしは作業のための資料であって、法的な記録としての保証はありません。誰の発言かの判定を含め、機械が出した推定結果です。重要な場面では元の音声と併せて保管し、内容を人が確認してください。扱ってよい情報の範囲については、自社の法務・情報システム部門にご確認ください。
動作条件と費用
Lesskeys は macOS 13 以降、Apple Silicon(M1 以降)が必須です。Intel の Mac では動作しません。対応言語は 99 言語で、言語は自動判別されます。ダウンロードは無料で、続けて使う場合にアプリ内から Pro を $49.99 の買い切りで解除します。支払いはこの 1 回だけで、月額課金はありません(日本円では約 7,500 円前後が目安ですが、為替とストアの価格設定により変動します。正確な金額は Mac App Store の表示をご確認ください)。
話者分離は、手元の音声ファイルにも、Mac 側で録音した会議にも同じように使えます。ファイルからの手順は「音声ファイルをテキスト化する」をご覧ください。
ダウンロード無料。Pro は買い切り $49.99。サブスクなし。 · 約7,500円・目安 · macOS 13 以降
よくある質問
話者分離とは何ですか?
1 本の録音の中で、いつ誰が話していたかを自動で区切る処理です。文字起こしと組み合わせると、発言ごとに話者ラベルが付いた書き起こしになり、インタビューや複数人の会議の整理が楽になります。
何人まで分けられますか?
人数をあらかじめ指定しなくても自動で推定されます。人数が分かっている場合は指定して精度を上げることもできます。ただし声質が似た話者や、相づちだけの短い発話は判定が不安定になることがあります。
話者の名前は毎回付け直す必要がありますか?
いいえ。実名を割り当てた声は声紋として端末内に保存でき、同じ人物が登場する別の録音では最初から実名で表示されます。定例会議や連続インタビューのように同じ顔ぶれが続く場合に効果が大きい機能です。
声紋データはどこに保存されますか?
自分の Mac の中に保存されます。音声も声の特徴量も外部に送信されません。声紋を保存するかどうかは設定で切り替えられます。
うまく分かれなかった場合はどうしますか?
アプリ上で、分かれすぎた話者をまとめたり、混ざった発言を別の話者に付け替えたりできます。修正した内容は保存中の声紋にも反映され、次回以降の判定に活かされます。
インタビューの録音に使っても問題ありませんか?
録音の可否は社内規程や取引先の意向に従ってください。日本では冒頭で録音する旨を一言伝えておくのが一般的です。なお話者ラベル付きの書き起こしは機械による推定であり、法的な記録としての保証はありません。
無料のままどこまで使えますか?
音声入力は 1 日 5 分まで、文字起こしは音声 5 件・動画 5 件まで無料で試せます(文字起こしは初回だけカウントされます)。録音そのものと、一度文字起こしした内容のやり直しは、無料のままで回数の制限がありません。この範囲を超えて使う場合に、アプリ内から Pro を $49.99 の買い切りで解除します。